英語を指導するのが職業の私が言うのもなんだが、多くの人は英語を財産のように見ている。
増やせ、強化せよ。そしてそれを自己に投影している。
当たり前であるが、ことばは空気の振動の配列であり、形を伴わない。
それなのに英語を物として扱い、英語を所有するという考えを持つ人がとても多い。
そんなものどうでもいいのにね。
執着し過ぎて、1日3時間英語を勉強しないといけないなんて強迫観念を持っている人もいるが、そういう人の話す英語は硬直していて不自然だ。
練習時間について、ヒントを書こう。
80年代に活躍した天才テニス選手のジョン・マッケンローは、なんと現役時代の1日の練習時間はたった30分だった。コーチと少し打ち合って終わり。英国のクラシックギタリストで、世界最高峰といわれるあのジョン・ウィリアムズも子供のころから1日のギター練習時間は30分以内で、その30分以内ルールは生涯続いているという。
自宅で英語の音読練習や勉強をするのに、いちいち長い時間をかける必要はないよ。
時間よりも、ありようが大切。すなわち、普段から英語話者、バイリンガルスピーカーとして生きているのか?それが重要だ。
あなたの今のレベルは全く関係がない。例えあなたの英語の語彙が50個しかなくても、英語話者になりたいのであれば、あなたは英語話者として生きることを実行する必要がある。それが大切なのだ。
反復論法(tautology)のようだが、原因と結果が同じになることがよくある。
ある人物「英語をペラペラ喋れるようになりたいんですが、どうしたらいいですか?
私「ペラペラ喋ったらいいんじゃないですか。」
この意味がわかるだろうか?
冗談ではなく、私は本気で答えている。
ペラペラ喋れるようになるためには、ペラペラ喋るしかないのだ。
ペラペラ喋らずして、ペラペラ喋れるようになることは不可能。
これは、私たちの日常生活にも当てはまる。
幸せになりたいのであれば、幸せになるしかないのだ。
多くの人は「私は〜でないと幸せになれない」などの条件付けをし過ぎて、自家中毒のような状態に陥ってしまう。
条件付けは機能不全のもとだ。
あらゆる条件付けを外してみよう。
どれほど多くの条件付けが、あなたをがんじがらめにして苦しめているのだろう?
条件付けを外したとき、英語は自然とあなたに降りてくるだろう。
あなたが英語を使っているというより、英語があなたを使っている。
そのような状態。
それが自然なのだ。
“The only way to speak English fluently is to speak fluently.”
英語をペラペラ話すには、ペラペラ話すしかない。
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