英語を学ぶ元警察官と元暴力団

写真は、以前升砲館の稽古を新宿で行っていたときのもので、題名とは関係ない。この後、道場はしばらく六本木に移ったのち、半蔵門に拠点を置くことになった。

さて、もう20年以上昔のことだ。

当時、社会人向けの初心者英語グループクラスに、
元警察官の人と元暴力団の人がいた。

最初は元警察官の方が学力でリードしていた。
だが、元暴力団の人が、めきめきと腕を上げてきた。

元警察官の人が英語の作文をしていると、隣から
「ここ”s”つきますよ。主語が三人称単数ですから」
と、元暴力団の男性が指摘。

二人は数年間ずっと、
隣同士で、仲良く一緒に英語を学び続けた。

「職業に貴賎の区別なし、あるのは人格の高下のみ。」
これは、私の好きな肥田春充先生（1883-1956）の仰ったことだ。

ことばは、人を分けない。
ことばは、人をつなぐ。

私は、こんな光景のそばにいられる仕事ができて、本当に幸せだ。

皆んな、ありがとう。

ショーンツジイ
プロイングリッシュスピーカー育成ディレクター