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礼儀正しい英語はなぜ長いのか

写真は母校立命館高校の同窓会で、西畑圭策と中井忍と撮ったもの。二人ともいい男だ!

さて、今日は英語の礼儀について簡単に書こうと思う。

どの言語でも概ね共通していることだが、丁寧になればなるほど、言葉は長くなる。

逆に、短く簡潔になればなるほど、カジュアルになる。

これは言語だけの現象ではない。
儀礼性というものと深く結びついている。

・式典のあいさつの長さ。
・宗教や神事の作法の多さ。
・大相撲の取り組み前の長い儀式。

どれも同じ構造を持っている。

儀礼とは、あえて手間と時間をかけることで敬意を示す行為である。

儀式が長いほど格式が高いように、言葉を長く紡ぐという労力そのものが、相手への尊重を示す。

英語も同じだ。

単なる情報伝達なら、言葉は短くなる。

しかし丁寧な表現になると、
・助動詞を重ねる
・婉曲表現を使う
・遠回しに伝える

といったプロセスが加わる。

つまり、わざわざ時間をかけて言葉を尽くすことそのものが、礼儀として機能しているのだ。

短い言葉は、ときに突き放した印象を与える。

そのためクッション言葉を足し、心理的距離を調整する。

例えば、

I want…
ではなく
I was wondering if you could…

と長くすることで、相手に「断る余地」という敬意を与える。

簡潔さは効率を生む。
長さは敬意を生む。

そういうものだ。

親しき間柄では、
“Good morning!”が”Morning!”と短くなり、

“I’m fine. Thank you. How are you?”は
”Good. You?”となる。

ビジネスの世界では、丁寧さが重要である。
しかし同時に、簡潔さ(わかりやすさ)も求められる。

ここで、日本とアメリカの文化的な違いが現れる。

アメリカ企業と日本企業の交渉では、よくこんな場面がある。

アメリカ側の要求を見て、日本側が驚く。

「こんなに厚かましいことを言うのか!」
と。

日本では、最初から妥協点に近い条件を提示することが多い。

他方、アメリカでは第一希望をそのまま提示する。

結論と根拠を明確に示す。

それが誠実で分かりやすい行動だと考えられているからである。

日本式の交渉は、結論を先延ばしにする傾向がある。

その結果、
・話が長くなる
・何を言いたいのか分かりにくい

という二重の問題を抱えることになる。

丁寧さ。
そして簡潔さ。

この二つを使い分けること。

それが国際社会で仕事をするための必須条件となる。

そして、普段のアメリカでの生活でも、そのようなコミュニケーションが好まれる。

丁寧さの無い簡潔さは、ただの馴れ馴れしさ。

簡潔さの無い丁寧さは、慇懃無礼で失礼となる。

こういう文化的ギャップは国際結婚のケースも同じ構造なので、心に留めておいてもらえると嬉しく思う。


升砲館 金剛會 ショーンツジイ

プロイングリッシュスピーカー育成ディレクター



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