SHAWN TSUJII'S

愛知和男先生を偲んで −「言葉は力であり、心である」

あれから一年。元防衛庁長官、元環境庁長官の愛知和男先生がご逝去されてから、もう一年が経ちました。

時の流れは早いものの、先生のお声と笑顔は今も私の心に鮮やかに残っています。

クラシック音楽とオペラを深く愛された先生。ご自宅までお迎えにあがり、ご一緒にオペラを鑑賞しに出かけたり、先生との思い出は、私ショーンにとってかけがえのない宝物です。舞台が始まる前に静かに語り合ったこと、終演後に交わした感想、帰り道の何気ない会話。すべてが優雅で、そして深い人間性に満ちていました。

政治家として多くを成し遂げられた先生でしたが、その本質はとても優しく、静かに強い方でした。語り口は穏やかで決して威圧することはなく、それでいて芯が通っており、信念を静かに貫かれる姿に、私は何度も心を打たれました。

愛知先生は、私の英語道場「升砲館」にも深い関心を寄せてくださいました。「英語を通して日本人の精神を鍛えなおす」この理念に、先生はとても強く共鳴してくださったのです。

升砲館は、単なる語学教室ではありません。英語を”武道”のように鍛え、言葉を通して自分自身の意志と感情を整え、磨き、伝える力を身につける場所です。礼節、呼吸、姿勢、そして集中。これらは日本の伝統武道に見られる「道」の世界の基礎であり、同時に、真のコミュニケーションにも不可欠な要素です。

愛知先生は、ご自身のアメリカでの生活経験を通して、言葉が単なるツールではなく「文化と精神の橋」であることを実感されていました。

「君の言っていることは正しい。英語を教えるのではなく、英語を通じて人間を鍛えるのだね」

先生は穏やかに、しかし確信を持って語ってくださいました。その一言に、私は深い励ましをいただきました。

日本を守るという最前線におられた愛知先生が示してくださったのは、力による支配ではなく、「守るための優しさ」「貫くための静けさ」でした。それはまさに、升砲館が目指す英語教育の核心でもあります。

声を張り上げずとも伝わる意志、怒号ではなく信念で相手と向き合う姿勢。英語を学ぶとは、そうした「内なる強さ」を育てる営みでもあるのです。

もっともっと、愛知先生と語り合いたかった。音楽のこと、文化のこと、日本の未来のこと、英語教育の可能性のこと、、、先生の視野はいつも広く、深く、そして優しかった。

私は、先生のまなざしと在り方から、今なお多くを学び続けています。

愛知和男先生、本当にありがとうございました。どうか天国でも、大好きなクラシック音楽とオペラに包まれ、安らかにお過ごしください。

私はこれからも、先生が遺してくださった「静かな強さ」を胸に、升砲館での英語修行を通じて、日本人の心と言葉を磨き続けていきます。

ショーンツジイ

※写真と文章は、故愛知和男先生の奥様の許可をいただいて載せています。


ショーンツジイ

プロイングリッシュスピーカー育成ディレクター



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