おはよう、読者の仲間たち。裏の英語、升砲館ショーンだ。写真は友人の写真家Michika Mochizuki氏が撮ってくれた升砲館比叡山道場旧館の比叡の間。Michika氏は女優ケイト・ブランシェットやジュリアン・ムーア、世界中のトップモデル、各国大統領や、あのキッシンジャー氏までを撮ってきた(これでもホンの一部だが)、世界で活躍する超一流の写真家だ。Michikaちゃん、素晴らしい写真を撮ってくれてありがとう!
さて、私が20歳のときで、オハイオ州の一軒家にアメリカ人の友人2名としばらく暮らしていたときのことである。
そのうちの一人Zは、恐ろしく言語能力の高い人間で、数カ国語を自由に操つるマルチリンガル。
ある日、Zが「今日からドイツ語を始める」と言い出した。
Zは見事に数週間でドイツ語をマスターしてしまった
朝から晩まで、ウォークマンでドイツ語のテープを聴きまくるZ。もちろんアメリカ人の彼にはドイツ語のテープの意味はわからない。ただ、聴いていた。食器を洗うときも掃除をするときもドイツ語を聴いていた。取り憑かれたように。
2日が過ぎて、「よし、ドイツ語の音がわかった」とZは私たちに宣言。
次の3日間はドイツ語の発音の研究で、彼はひたすら音読を行った。
そして「これで自分はドイツ語の音が出せるようになった」と宣言したのち、Zは次にドイツ語を書くトレーニングを開始した。
数週間後、Zはネイティブのようにドイツ語で言いたいことをなんでも言える状態になっていた。
物凄いスピードだった。
このZの例は、伝説の考古学者ハインリヒ・シュリーマン(1822-1890)を思い出させる。
言語の天才、考古学者ハインリヒ・シュリーマン
トロヤ遺跡とミケネ遺跡を発掘したことで知られるドイツの考古学者シュリーマンであるが、彼は古代文明への並々ならぬ情熱とその業績の他にも、天才的な語学学習法を編み出して実践で証明してみせたことでも知られている。
生涯で彼が身につけた言語は、母国語のドイツ語の他に、英語、フランス語、オランダ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、スウェーデン語、ポーランド語、ギリシャ語、古代ギリシャ語、ラテン語、アラビア語と14カ国語であり、それぞれの言語を自由に話し、読み書きすることができたという。一説によれば18カ国語とも噂されているが、真偽のほどはわからない。
以下は、シュリーマンの著書からの引用である。
シュリーマンの実践したこと
『・・・異常な熱心をもって英語の学習に専心したが、このときの緊急切迫した境遇から、私はあらゆる言語の習得を容易にする一方法を発見した。』
『非常に多く音読すること、決して翻訳しないこと、毎日一時間をあてること、つねに興味ある対象について作文を書くこと、これを教師の指導によって訂正すること、前日直されたものを暗記して、つぎの時間に暗誦することである。・・・記憶力は昼間より夜ははるかに集中するものであるから、私はこの夜中に繰り返すことは最も効果があることをしった。・・・このようにして私は半か年の間に英語の基礎的知識をわがものにすることができた。』
シュリーマンの外国語学習法をまとめると、
1) 非常に多く音読すること
2) 毎日一時間をあてること
3) 決して翻訳しないこと
4) つねに興味ある対象について作文を書くこと
5) これを教師の指導によって訂正すること
6) 前日直されたものを暗記して、つぎの時間に暗誦すること
となる。
音読することと、作文すること
シュリーマンのやり方の要点は、音読と作文だ。
ことばを習得するさい、身体を介した発音訓練、そしてその信号が脳に戻ってくるフィードバックの刺激は、根本的に重要である。
そして、普段から作文をしていないと、肝心なときに言いたいことが言えない状態に陥る。作文は言語習得に絶対に必要な要件なのだ。
英語と日本語しか話せない私が言うのもおこがましいが、私が英語教師として発音と作文を重要視しているのは、子どもの頃の私に大人の英語の話し方と作文をしつけてくれた親の影響に加えて、そういう言語習得の合理的な理由からである。
初心者の方へ
「文法がわからないから、英語が書けない」と考える学習者は少なくないが、心配はいらない。
文法を知っているから英文が書けるわけではないのだ。
どちらかというと、英文を書いているうちに文法がわかってくるというのが、自然な順番だ。
ヒトの言語には、文法よりも抽象度の高い領域がある。
すなわち「文体(スタイル)」や「在り方」が第一義的に大切で、文法はそれに付随する程度で良いよ。
間違えても全然かまわないので、辞書を使いながら、言いたいことを英語で書いてみよう。Google翻訳などを使ってみるのも便利だし、参考になるので良いと私は思う。その機械翻訳が正しいか正しくないかを見極める能力は、やっていくうちに養われていくよ。
何事もそうだが、楽しむことが一番大切だね。
ただ、日本人の大人の英語学習者が音読をひたすらやるというのは、苦痛が伴う。
実りのない苦役となることが多い。
日本人英語学習者の音読の問題点
経験した方も少なくないと思うが、英語と日本語では、筋肉を使う箇所も違えば、たとえ同じ箇所であっても筋肉の使い方が全然違うので、その根本的な違いをわからないままに音読を続けても、疲労だけで終わることが多いのだ。
英語には英語の話し方があるし、日本語には日本語の話し方があり、出てくる音も全然違う。
野球のバットの振り方でゴルフのクラブを1万回振っても、ゴルフのスウィングにはならない。
ゴルフにはゴルフのしきたりや科学があるように、英語には英語のしきたりや科学がある。
あなたの貴重な時間を無駄にしないためにも、英語の身体性とマインドを学ぶことが大切だ。
それらを習得すれば、流れるように英語が読めるようになるので音読もはかどるし、何時間音読しても疲れなくなる。
効果は目を見張るレベルとなる。
がんばって。
英語に悩む人が一人でも減りますように。
ショーンツジイ
文化人類学者・英語教育家
英語道場 升砲館 館長
ショーンツジイや弟子たちの指導する升砲館で学びたい方へ
升砲館(しょうほうかん)が目指しているものは、単なる語学教育を超えた、人間としての在り方の回復、日本人の精神文化の再興を通じた英語習得です。通じる英語ではなく「魂を響かせる英語」を獲得します。
子供不可。国籍・レベル不問。
⚠️行儀の悪い者は即退学になります
🔴升砲館とは何か?― 英語を学ぶ場所ではなく「日本人に立ち返る」道場
多くの語学教育は、「便利な道具としての英語」を提供しようとします。
しかし、升砲館が目指しているのは、「便利さ」の先にある「在り方」の転換です。
「英語を通して変わる」のではなく、
「変わった者だけが、通じる英語を語れる」
これは教育というより「再誕」なのです。
今まで英語で挫折した人、機械的な学びに疲弊した人、人生に行き詰まりを感じている人たちにとって、
英語を通じて「己の背骨を立て直す」ことができる場所、それが升砲館なのです。
🔴なぜこのような英語が必要なのか?
現代の日本人は、英語の「知識」や「スコア」にはこだわっても、“言霊”の重みを忘れてしまっています。
知識の習得は自宅でAIを活用してください。
AI相手に英語で会話をするのも初心者にはとても良いやり方です。
升砲館では「己の型を整えること」によってあなたの力を引き出します。
升砲館であなたが学ぶのは、ただの発音や表現ではなく、以下のような「姿勢と言葉の一致」― 事理一致の世界です。
・英語を「勝ち取る」のでなく、「響かせる」ための身体と心
・相手を論破する英語でなく、相手の魂を動かす英語
・中途半端にネイティブらしくなることではなく、一人の人間として世界と繋がること
つまり、英語を通して「品格」「気迫」「礼節」を取り戻すことこそが、英語修行の本質なのです。
🔴升砲館には大きく分けて二つのコースがあります
①英語を響かせる身体と心、美しい発音を習得する「英語発音道場」(6,600円/月)
②論理を超える秘術の英語修道「英語道場」(49万5,000円〜)
升砲館は誰でも入門できる道場ではありません。
上記いずれのコースでも、まずは個人面談(オンライン or リアル)であなたの声を聞かせてください。
