こんにちは、英語文化人類学者のショーンだ。
今日は京都にいて、自宅でこれを書いている。
17歳の老犬ジミー、12歳のジェニファー、9歳のレン。3匹の愛犬に囲まれて、私は幸せだ。
さて、私は京都の立命館高校を卒業している。妻ビッキーと出会ったのも、立命館高校だ。
当時お世話になった先生方との関係は、卒業して30年近く経った今も良好だ。
何年か前、数学の松田先生から「英語のことで相談があるんやけど」と電話を頂戴した。
先生の知り合いの息子さんが、どうしてもTOEICの点を上げたいという相談だ。
いわゆる引きこもりの息子さんで、何とかして生活の張り合いを求めてTOEICに取り組ませたい。
それが親御さんのご希望だった。
松田先生によると、その息子さんのTOEICの点数はとにかく低い。
しかも、引きこもり生活も長く、コミュニケーションを取ること自体が難しい人物のようだった。
私もTOEICは教えられるが、別段それを専門にしているわけではないし、私の昔の生徒でTOEIC専門家がいたので、彼の経営する大阪梅田のTOEIC専門スクールを紹介することにした。
売れているTOEICの専門書も複数冊出していて、凄腕のTOEIC専門教師だ。
「TOEICの点数を少しでも上げて、勉強する張り合いや、社会復帰の手がかりを掴んで欲しい」
皆がそう願っていた。
一応、その息子は大阪の梅田まで通ってTOEICの授業を受けた。
しかし、彼は3ヶ月経たないうちにスクールを退学した。
歴戦のTOEIC専門教師も、手の施しようがないとさじを投げた。
なにしろ、一切勉強をしなかったそうだ。
その息子の考え方はこうだ。
「TOEICを受け続けていたら、そのうち何回かは目標の800点以上になる回が来るだろう」
息子は、現状のままの自分を変えることなしに、TOEICの点数はいつか上がるだろうという幻想を持っていた。
彼は、200点程度の実力の自分を一切変える努力をしなかった。
引きこもりの現象は社会病理であるし、私は、息子さんや親御さんのことを気の毒に思う。
しかし、「自分を変えられるか?」というテーマは、なにもニートに限った話ではない。
概して子供は柔軟だが、大人になるとほとんどの人間が自分を変えられなくなる。
すでに持っているものに獅噛みつく。
まるで「自分を変えられない病い」のようなものだ。
日本人が英語を使うときは、自分を作り変えなければいけない。
文化的枠組み、呼吸、発声、筋肉の使い方、マインドなど、今までの自分とは違うやり方でやらないと、外国語はできるようにならないからだ。
しかし、世の中の英会話スクールというものは、そういうところを指導する能力がない。
彼らは、お前の潜在能力を引き出すことができない。
何しろ、お前は変われないんだから。
いつまで経っても、進化することはできず、少し英語の知識が増えた優柔不断な日本人のままだ。
私は、お前が進化できる方法を熟知している。
お前は、今までのやり方を少し変えるだけで、眼前に新しい世界が現れ始める。
お前は、その美しさに感動するだろう。
私は、そういう瞬間に立ち会うのが大好きだ。
お前は、変われるぞ。
お前なら進化できる。
人生を楽しんでくれ。
お前の力で、お前の周囲を笑顔にしてくれ。