今日は、母校立命館高校の同窓会に行ってきた。
例年なら1000人規模の巨大同窓会なのだが、このコロナ禍のご時世なので、去年はオンライン開催で、今年は160名での小規模開催だった。
写真は、私が立命館高校に通っていたときに、体育科教諭と生活指導部長を兼任されていた建部先生だ。
下の細くて可愛らしい少年の写真は、私が立命館高校生だった17歳のころのものだ。金髪で通学していた。今は40代後半となり、私は白髪を目立たせぬように金髪にしているだけだが、当時は自己主張のため絶対に金髪は必要だと考えていたり、私は少年なりに工夫しながら色々とがんばっていた。今となっては、仕事上仕方ないことだと思うのだが、当時の立命館高校の先生たちには私の青春の願望はあまり理解してもらえなかったのだ。
あらゆる先生の中で、建部先生が一番怖かった。
顔も声も、めちゃめちゃ怖かった。
もう高校を卒業して31年が経つのだが、今、私はときどき思うのだ。
「あぁ、もう一度先生に叱られたい」
今の私にはわかる。建部先生のあの恐ろしい迫力での生活指導は、先生が本気でガキの私に接して下さっていた何よりの証拠だった。
手抜きのない本気の指導。
正直言って、当時は建部先生のことがすごく苦手だったが、大人になった今、なんてありがたいことだったんだろうと思う。
すごい人だよ、建部先生は。
また、私が3年生のときの担任、小村先生は国語科の教諭だった。
あるとき家庭科でキャロットケーキを作る実習があって、私の作ったキャロットケーキは見事に大失敗。
中まで火が通っていなくて、外見はちゃんと焼けていそうなケーキの中身には生々しいにんじんがゴロゴロしていた。
私は自分の焼いたケーキを味見して、あまりの不味さ、荒い繊維質の織りなすハーモニーに、ゲロを吐きそうになった。
私が作り上げた、史上最悪の食品凶器。
珍食品界のプリンス、半生キャロットケーキ。
バカな私は妙案を思いついた。
私は国語科教員室に直行して「これ、先生のために焼いてん」と言って、失敗作のキャロットケーキを小村先生に渡したのだ。
私は内心「先生この不味さにビックリしてケーキを口から吹き出すかもしらんな」と小村先生の反応を期待していたのだが、先生の反応は完全に私の期待を裏切るものだった。
「おいしい、おいしい。辻井が焼いてくれたケーキ、おいしい!辻井、ありがとう!」
と言って、小村先生は平気な顔のまま、ペロリと激マズのキャロットケーキを完食されたのだ。
私は自分の愚かさ、そして先生の大きさに頭(こうべ)を垂れた。
私は自分が恥ずかしかった。
あれから月日が経ち、大人になってさらに思うが、やっぱり先生という職業は聖職だよ。
偉大としか言いようがないと思う。
幸運にも私は自分の人生で、尊敬できる先生たちに出会えてきた。
長くなるので、今日は建部先生と小村先生のことしか書いていないが、立命館高校で出会った先生たちはホント皆が素晴らしい先生たちだった。
先生たちのことを考えると、今日もがんばれる。
先生、本当にありがとうございます。
辻井がんばります。