写真で私が付けている蝶ネクタイは、友人の渡辺孝太郎氏が経営する高級オーダーネクタイのツバメ日吉(千葉市)で作ってもらったものだ。素晴らしいネクタイを作ってくれて、なべちゃんいつもありがとう!
さて、今日はスポーツの素晴らしさと、その裏の顔について書こうと思う。
「スポーツは人を育てる」
「スポーツで礼儀や協調性が身につく」
「スポーツでしか学べない大切なことがある」
これらは一面の真理であると同時に、歴史的に見れば「洗脳」でもある。
私は、スポーツそのものを否定したいわけではないし、実際、よく感動する。
ただ、盲目的な「スポーツが善である」という空気には疑問が湧くことがあるのだ。
何事にも当てはまるだろうが、スポーツにも「良い面」もあれば、そうでない面もある。
良い点はたくさんある。
まず、事実、世界にはスポーツによって救われている国や地域がある。
中米のホンジュラス、エルサルバドル、ブラジルなどの一部地域では、
凶悪犯罪やギャング抗争の激減に、地域主導のサッカープログラムやストリートスポーツが一役買っている。
若者が武器を手に取るのではなく、ボールを蹴る。
争うのではなく、走る。
殺し合うのではなく、共に汗を流す。
スポーツには、ヒトの暴力性を“昇華”させる力がある。
言葉では届かない心にも、身体のリズムと共鳴が届くことがある。
スポーツは、分断された社会を一つにまとめる接着剤にもなりうる。
それは間違いない。
だが一方で、スポーツが常にあなたを“自由にする”とは限らない。
古代ギリシャ、特にスパルタやアテネでは、スポーツ(競技)は単なる娯楽ではなかった。
ギリシャのために「理想的な市民」を育成する洗脳の手段だった。
スパルタでは、軍事訓練とスポーツが完全に融合。7歳から集団生活に入り、競争、忍耐、服従、協調性を叩き込まれる。
アテネでは、もう少し芸術性や競技性が重視されたというが、やはりポリスの理想市民形成という国家的意図が根底にあった。
そしてオリンピック。これは宗教的儀式であると同時に、ギリシャ世界の価値観(競争、勝利、名誉)を、普及させるための装置でもあった。
近代になると、スポーツは国家主導でさらに強化されていく。
特に以下のような価値観を植え付けるために用いられるようになる。
「チームのために個を犠牲にする」
「ルールに従うことが正しい」
「勝敗によって人間の価値が決まる」
「努力は報われる」
フランスの哲学者 ミシェル・フーコーや社会学者 ピエール・ブルデューは、「身体は権力によって形作られる」と述べた。
すなわち、権力による統治を優先する思想の刷り込みであり、「競争と服従の精神を持つ近代社会人の育成」と見ることもできる。
ちなみに、私ショーンは、吉田松陰先生の仰った「公の感覚」は日本に「必要」であるとする立場を取っている。日本人の多くは表面的には従順だが、ひとりひとりの内面ではあまりに「個の感覚」が強すぎるからである。
それでも明治以降の日本の学校教育で、「体育」が道徳教育の道具とされ、規律的訓練と習合されていることは、少々やり過ぎのように私は思う。
いずれにせよ、スポーツが持つ「感動」「友情」「努力」のイメージは大変美しいものであるが、同時に洗脳行為を覆い隠すヴェールでもある。
なぜ、こういう事柄に目を向けることが英語教育に必要なのだろうか?
それは、日本の大人が英語を「自由に聞き」「自由に話す」ためには、いったん幼少期のころのような「支配されない身体」に戻ることが必要だからである。
スポーツの“勝ち負け”でも、体育の“忠誠訓練”でもない、「術」としての身体を通した学び。
それは、
・頭でっかちにならず、感じること
・チームに従うことではなく、共に響くこと
・過去や未来に縛られず、“今この瞬間”を生きること
「術」には、決まった“正解”がない。
あるのは、生きた反応と、本能的な判断と、身体の叡智だ。
スポーツ教育の多くが求めるのは、
従順で、結果を出す(勝つ)、個を殺し、チームに尽くす人間だ。
だが、私の考えは違う。
教育とは、
“自分のまま”でありながら、他者と共鳴できる力を取り戻すプロセスだと考えている。
スポーツは、確かに人を救う。
だが、それが“特定の枠”の中にしか居場所を与えないのだとすれば、
しかも、押し付けがましいものであれば、
私たちはいずれ、その中で疲弊し、窒息してしまう。
私たちに必要なのは、
スポーツの“感動”の奥にある本質を見抜くまなざしと、
スポーツを超えた次元で、自由に呼吸できる身体を取り戻すことだ。
私が目指すのは、
言語でもスポーツでもない、“術”として英語コミュニケーションを学ぶ場である。
支配されない心と身体を育てよう!感動させる英語はそこから。
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