「女性が選挙権を得るまでは核兵器は存在しなかった。だから女性に選挙権を付与すべきではない」という、アメリカで有名な例え話がある。
非道い性差別者の話に聞こえるが、これはあくまで科学者のカール・セーガン博士が取り上げたことで全米で有名になった詭弁の例で、根拠の不自然さをわかりやすくモデル化するのが目的のためだけである。セーガン博士は非常に公平で高潔な人物だ。
さて、どんな主張であろうが、主張というものには根拠が必要だ。
根拠があやふやなものであったり、思い込みであったり、辻褄が合わなかったりすると、その主張は間違った根拠から導き出されたアンフェアな主張となる。
事実や根拠に基づいて主張することが、話し合いのルール。
事実や根拠に基づく話し合いの大切さは、家族や職場や学校など日常生活の中でも変わらない。
・中学のホームルームで誰かの財布が紛失。証拠もないのに、あなたが犯人だと決めつけられる。理由は「あなたが怪しい」というだけである。あなたの無実の主張は誰にも聞き入れられない。担任の先生もクラスメートも、皆が印象であなたが犯人だと決めつける。
・朝にゴミを出すという昨晩の約束を破ったことで配偶者に責められる。あなたがいくら「昨晩そんな約束はなかった」と主張しても、配偶者は「そんなことより、実際あなたはゴミを出さなかったじゃないか!」と論点をずらし、あなたの言い分を一切聞き入れない。
1番目の例は、クラスの中でまったく事実確認がされていないことが問題だ。魔女裁判のよう。疑われた人はどんな気持ちになるのだろう。魂への暴力行為だ。
2番目の例は、約束があったか?なかったのか?その事実確認が必要。約束を破ったことであなたを罰しているのに、そもそもその約束が無かったのであれば、配偶者があなたを罰する理由が無くなることは自明である。根拠があいまいなことに加えて、配偶者はここで「論点ずらし」という重大なルール違反を犯している。
論点をずらしてあなたを罰し続けるのは、まったくフェアではない。もちろん配偶者には主張があるのだろうが、前提となる根拠が間違っている。
間違った根拠で相手に責められると、当然衝突するし、非常にタチの悪いのは、以下のような論点の多重すり替えだ。
配偶者「あなたは約束を破った」
あなた「私は約束なんて破っていない。そもそも約束なんてなかった!」
配偶者「その反抗的な態度は何だ!」
あなた「なんで事実を確認しないんだ!事実無根だ!」
配偶者「ほら、怒った!怒っているのが約束を破った証拠だ!まともな人が、そんなに怒るはずがない!」
ルールとして、事実や根拠というものは、言い出した方にその立証責任(burden of proof)がある。リチャード・ウェイトリーという19世紀英国の修辞学者が確立した概念である。
ポイント
①事実を大切にすることは、双方にとってフェアな行いであると同時にルールである。
②事実や根拠の立証責任は、言い出した方にある。
いくら英語ができても、この考え方を持っていないと世界では受け入れてもらえない。
アリストテレスは「規律を通して自由は来る」と言った。
今日もフェアで皆が笑顔で暮らせますように!
ショーンツジイ
文化人類学者・英語教育家
英語道場 升砲館 館長
ショーンツジイや弟子たちの指導する升砲館で学びたい方へ
升砲館(しょうほうかん)が目指しているものは、単なる語学教育を超えた、人間としての在り方の回復、日本人の精神文化の再興を通じた英語習得です。通じる英語ではなく「魂を響かせる英語」を獲得します。
子供不可。国籍・レベル不問。
⚠️行儀の悪い者は即退学になります
🔴升砲館とは何か?― 英語を学ぶ場所ではなく「日本人に立ち返る」道場
多くの語学教育は、「便利な道具としての英語」を提供しようとします。
しかし、升砲館が目指しているのは、「便利さ」の先にある「在り方」の転換です。
「英語を通して変わる」のではなく、
「変わった者だけが、通じる英語を語れる」
これは教育というより「再誕」なのです。
今まで英語で挫折した人、機械的な学びに疲弊した人、人生に行き詰まりを感じている人たちにとって、
英語を通じて「己の背骨を立て直す」ことができる場所、それが升砲館なのです。
🔴なぜこのような英語が必要なのか?
現代の日本人は、英語の「知識」や「スコア」にはこだわっても、“言霊”の重みを忘れてしまっています。
知識の習得は自宅でAIを活用してください。
AI相手に英語で会話をするのも初心者にはとても良いやり方です。
升砲館では「己の型を整えること」によってあなたの力を引き出します。
升砲館であなたが学ぶのは、ただの発音や表現ではなく、以下のような「姿勢と言葉の一致」― 事理一致の世界です。
・英語を「勝ち取る」のでなく、「響かせる」ための身体と心
・相手を論破する英語でなく、相手の魂を動かす英語
・中途半端にネイティブらしくなることではなく、一人の人間として世界と繋がること
つまり、英語を通して「品格」「気迫」「礼節」を取り戻すことこそが、英語修行の本質なのです。
🔴升砲館には大きく分けて二つのコースがあります
①英語を響かせる身体と心、美しい発音を習得する「英語発音道場」(6,600円/月)
②論理を超える秘術の英語修道「英語道場」(49万5,000円〜)
升砲館は誰でも入門できる道場ではありません。
上記いずれのコースでも、まずは個人面談(オンライン or リアル)であなたの声を聞かせてください。
