SHAWN TSUJII'S

英語教育業界のウィンドウショッピングとエコシステム

私たち人間は、不思議な生き物だ。

「自由が大切!」と政治的な強制や独裁に対しては猛反対し嫌悪を示すにも関わらず、内面では、また別の権威や独裁を受け入れている。

身近なところでもそうだし、歴史的なイデオロジーの闘争でも、そういう例は山ほどある。

これと同じような構造が英語教育業界にも見られる。

もくじ

英語指導者や、英会話教師たちの問題

一般の人間よりも英語教育について熟知しているはずの、いわゆる英語の指導者たちは、生徒たちを「〜式」「〜法」などの自分たちのやりやすいパターンにねじ曲げたり、自分たちにとって都合の良い型にはめたりするだけで、結局生徒が求めていたところに連れて行っていない。

生徒を見下すだけの偉そうな英語教師が非常に多いのも問題だ。

そして、「ここでもなかった」とあなたは次の指導者を探して、先に進む。

次の英会話スクールでは、次のパターンに押し込まれる。

終わりのない堂々巡り。

お金と時間を費やし続ける

お金と時間を費やし続ける。

それが英語教育業界の大きなエコシステムを形成している。

探し求めるうちに一生が終わる、巨大な構造。

そのような状況では、英会話のレッスンを受けても、あなたが英語が話せるようにならないのは当然だ。

なぜなら、この英語教育業界のエコシステムの中、あなたは「ウィンドウショッピングをしているだけ」という状況に、知らず知らずの間に置かれてしまっているからである。

多くの人がその状態に引き摺り込まれている。

これは、麻薬中毒のようなもので、本人はその深刻な状態に気付きにくい。

ウィンドウショッピングの深刻性

ウィンドウショッピングの心理状態は深刻な問題だ。

解説しよう。

このエコシステムの中、英会話教材の中身はほとんど同じだし、どこの英会話スクールも似たり寄ったり。

多くの英語学習者は、そのようなエコシステムの中で、もう半ば英語を諦めかけているが、それでも仕事で英語が必要だったり、やはり英語が好きであったり、どこか良い教師はいないものかと、探し続けている。

情報化社会となり、英語学習の選択肢は無限に近いほど増えたし、一生かかっても終えることは不可能な量の教材が世の中にうごめいている。悪質な英会話スクールも多い。

英語学習をするにも、賢い消費者とならなければいけない。

となれば、ほとんどの人は否応なしに、ウィンドウショッピングの心理状態に陥る。自衛のためだ。

その自衛手段であるウィンドウショッピングが、コントロール不能なほど暴走する。

英会話スクールでレッスンを受けても、スタッフから説明を受けても、自分はそこにおらず、「ふーん」とぼんやり「窓の外からクラスを見ている」だけ。

体はそこにあるし、教師の指示で課題はこなしているかもしれないが、肝心の心が「参加」しなくなるのだ。

ウィンドウショッピングの心理状態は、あなたをどこにも連れて行ってくれない。

私たちヒトは、本来子供のころにことばを習得するが、私たちはそのような心理状態でことばを習得しているわけではないのだ。

だから私は、文化人類学のフィールドワークの骨子である参加型観察法を、外国語習得のプロセスに持ち込む重要性を訴えるのである。

私は断言しても良いが、ウィンドウショッピングで傍観していても、外国語は身に付かない。

エコシステムの外に出よう

英語業界のエコシステムは堅固で、あなたの気づかないうちに、あなたを支配している。

エコシステムの外に出よう!

形骸化された従来のエコシステムではなく、大人が伸び伸びと笑顔でがんばれる環境が必要だ。

若くして二度ガンを患った男性が、かつて升砲館に入門した。

「今まで色々な英会話スクールに通いましたが、自分の英語学習人生の最後に、升砲館をやっておきたかったのです」

来てくれてありがとう。私は嬉しかった、A。


ショーンツジイ

文化人類学者
英語道場 升砲館 館長


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