SHAWN TSUJII'S

短期間で「良い声」に変える方法

一般的に健康法やリラクゼーションの指導においては、「息を吐きましょう」「吐く方が大事です」と教えられることが多い。

そのような「息を吐くこと」ばかりを重要視する教えをうのみにしてはいけない。

我が英語道場升砲館では「吸息筋(息を吸うための筋肉)の鍛え」を重要視している。

なぜか?以下に理由を挙げる。

1)そもそも“吐く重視”は西洋輸入。日本人体質には合わない。

オープンで胸を張った姿勢が「良い姿勢」とされる西洋文化の人間向けの理論は、そもそも前提条件が日本文化と異なる。「吐く」ことを中心にしたワークは、そうした西洋人の姿勢を前提にしている。

しかし日本人は、
●前傾気味の姿勢
●胸郭が閉じやすい
●呼吸が浅い生活習慣
という特徴があり、西洋モデルの呼吸法をそのまま当てはめると逆効果になるケースが多い。

文化的にもアメリカの幼児は、とにかく吸引力がもともと非常に強い。

2)現代日本人は“浅い呼吸”が慢性化している。

デスクワーク、ストレス、猫背、スマホ姿勢。
これらが「吐く練習」をしても改善しない理由である。
土台である“吸う力”が弱いから、呼吸が広がらない。

3)東洋思想・武術では「吸う」が“気の充填”を意味する。

武道・東洋哲学では、
吸う=エネルギーを取り込む行為
とされる。

呼吸は本来、気を巡らせ、生命力を高める技法であった。

吐くだけを重視した現代的な呼吸法は、この文脈を欠いている。

4)科学的にも「良い声」は吸息筋が作る。

呼吸筋トレーニング (IMT)の効能が、多くの研究者によって提出されている。

また、ヒトが良い声・通る声を出すときは、呼気筋(吐くための筋肉)よりも、吸気筋(吸うための筋肉)の方が優位であるという研究もある。

私の指導経験上も「吸気筋・吸息筋」を鍛える方が、圧倒的に良い声になる。しかも短期間で。2週間で別人級の声になった例もある。

トップクラスの歌唱力で知られる米国のボーカリストのマーク・ボールズ氏も吸息筋を重要視している。写真は私の自宅で撮ったものだが、マーク・ボールズ氏本人も英国製Ultra Breathe(特注升砲館モデル)を所有している。

吸息筋を鍛えると、あなたの声は変わる。

声が変わると、人生が変わる。

“力を抜いて発声しましょう”というアドバイスは正しい。
だが、吸息筋(吸う筋肉)が弱ければ、力を抜くも何も始まらない。

吸う力を強化すれば、
●声が太くなる
●響きが生まれる
●息が続く
●緊張が消える
●相手に届く声になる
という変化が一気に訪れる。

英語も、スピーチも、人間関係も、声ひとつで変わる。

日本人全員の声が良くなることは、現実的にありえないと思う。

しかし、意識の高いあなたには、良い声でいてほしい。

貧弱な声だと、日本が舐められる。


升砲館金剛會 ショーンツジイ

プロイングリッシュスピーカー育成ディレクター



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