写真は、日本を代表するオペラ歌手として知られるテノール村上敏明氏。10月のオペラ公演の後、一緒に撮ってもらった写真だ。村上敏明氏のアンドレア:シェニエ、本当にすばらしかった!本当にカッコ良かった!
さて、英語ではvictim mentalityというが、被害者意識という言葉を聞いたことのある人も多いだろう。
「私は被害者、私は可哀想なので何を言っても構わない。」それが彼らの基本姿勢であることが多い。
自己愛性人格障害や境界性人格障害とも密接だが、あなたの身の回りに、やたらとあなたのことを責める人間はいないだろうか?
登場人物はAとあなた。
❶まずAはあなたを責める。
・懲罰的な責め方。
・もしくはあなたを罪人のラベルを貼るような話法。
・決めつけている。
・しばしばヒステリックで、あなたを感情的に非難する。
・あなたの名誉を傷つけるような印象操作も含まれる。
そもそもAの主張は事実に基づいていなかったり、情報が欠落していたり、誇張されていたり、根拠すらおかしいことが多い。
例)「あなたは全然約束を守ってくれない!」→実際は守ってるのに。
問題を解決するというより、あなたを責める、あなたを罰するのがAの目的なのだ。
❷罪人のラベルを貼られたあなたは反論する。
・それは違うとAに反論する。
・Aの根拠が事実と異なることを指摘する。
そもそも冤罪であるので、あなたが反論するのは当たり前であり、当然の権利だ。間違った根拠を指摘するのも、当然のこと。
しかし、
❸Aはさらに被害者ポジションを取り、あなたを責める
「そんなに怒るのだったら、話にならない!」
「自分に悪気はない。どうしてそんなことを言われなきゃならないの!」
欧米であれば、議論の伝統があるので「意見は意見」として受け取られるが、儒教的な年功序列で意思決定がなされてきた日本文化では「意見は文句」として受け取られる。
「被害者の私に意見するなんて、あなたはやはり悪い人間である」というAの認識が強化される。
文化人類学者タタラ教授の仰ったように、「日本は自分を怒らせた罪により、相手を罰する文化」であることも、密接に関係している。
❹反論すればするほどあなたの「加害者」としての立場が強化されていく
Aは自分が犠牲者であることは自分の心の中で確定しており、「被害者で可哀想な自分には一切の落ち度は無い」という信念を持っている。
ゆえにあなたが反論すればするほど、フェアな話し合いを求めようとすればするほど、あなたの加害者や罪人としてのポジションは確立されていく。
私ショーンは人生を通じて、犠牲者精神が豊富で周囲を傷つけるのが得意な人にたくさん出会って来たので、このような機会を直接観察する機会に恵まれて来た。大学院時代、私が紛争と衝突解決をテーマにした見事な修士論文を書くことができたのはそのおかげのように思う。
文化人類学者は常にフィールドワークなのだ。文化人類学の巨人ベイトソンがダブルバインド現状を研究された経緯も大変だったんだろうと私は想像する。
とにかく、一般人も著名人も関係なく、犠牲者精神の強い人がいる。
困ったものだ。
行き過ぎた犠牲者精神を持つ隣人が、罪のないあなたを罪人にし、苦しめ、悩乱させる。
このケースの根本には、Aの自尊心の低下(Low Self-Esteem)という問題が潜んでいる。
心理的なトラウマ(Psychological Trauma)か何かで、防衛機制(Defense Mechanisms)が働き、自らが犠牲者となることによって、自尊心を一時的にでも保とうとする行いだ。
Aのようなタイプの人間は「自分は口が立つ」「自分は言い争いでは負けない」と思っていることが多い。
実際は、自らの犠牲者意識の強さで相手を一方的に悪者にすることにより、見せかけの勝利を得て来ただけなのにね。そんなのフェアな議論じゃないよ。
Aのようなタイプの人間は一定数いる。Aのような人間が、パワハラやモラハラをするようになることも多い。
学校の英語教員にも、民間の英会話スクールの講師にも、このようなタイプの教師がいる。
Aのような人たちが健全に自尊心を回復し、誰もがフェアで対等な話し合いができるような社会になることを、私は切に願う。
明るく行こう❗️
では、今日も笑顔で最高の1日を❗️
輝きを取り戻そう、大人たち❗️大人が輝くことが、日本の子どもたちの未来を明るくする❗️