英語獲得に必要なのは、何なのだろうか?
発音も語彙も文法も、英語をマスターするには取り組まないといけない部分がそれぞれあるように見えるが、そう見えるのは、実は、分割された部品を分析することによって物事を見ようとする要素還元主義の弊害だ。
根本的にヒトの言語活動は、より上位の、抽象度の高いレベル、メタのレベルで行われている。加えて、ヒトの脳の演算速度はコンピューターほど速くないので、細かな発音、文法、語彙などをいちいち考えなくてもすむようにサブルーチンも組まないと、人間同士のコミュニケーションのスピードには追いつけないのだ。
もちろん、発音も語彙も文法も大切な要素なのだが、それらを統合し、自由に使えるようにするためには「より上位にあるもの」が大切になってくる。そしてその上位にあるものは、大抵目に見えないので、英会話のテキストなどで触れられることはない。
コア部分となる上位概念をきっちり押さえることのできる人だけが、本当に力まずに英語を聞き話すことができるようになってくる。まるで自分の母語のように。
大人から英語を始めても、それは変わらない。
見えない部分に着目せず、目に見えている顕在的なものに執着する人は、残念ながら努力の割には報われない。
いくらやっても英語がうまくならないケースには、そういうパターンが観察されることが多い。
正しくやれば、数ヶ月で一気に伸びる。
逆に言えば、数ヶ月で一気に伸びないということは、そのやり方を変える必要があるということだ。
伸び悩む人は、やり方をガラっと変えてみよう。
見えない部分に着目してくれたまえ。