写真は2024年のMiss Asia Pacific Internationalにて、過去大会の覇者でありスペイン代表の Chaiyonne と。
華やかさ、知性、そしてリーダーシップを兼ね備えた、まさにクイーンにふさわしい人物である。
さて、文明は、安楽な環境では発展しない。
困難があるとき、人間は知恵を生み出す。
歴史学者アーノルド・J・トインビーはこれを“Challenge and Response(挑戦と応戦)”と呼んだ。
その通りだと思う。
言語や文明の発展は、困難の中から生まれた。
太古の人類は、150人ほどの小さな共同体で暮らしていた。
そこでは、全員が全員の顔を知っている。
しかし都市が生まれると状況は一変する。
紀元前3000年頃、肥沃な河川地域に人々が集まり始めた。
異なる民族が同じ都市で暮らすようになった。
隣にいるのは、何を考えているかわからない他人である。
文字や言語が体系化されたのは、そのような困難の中だった。
メソポタミア、エジプト、インダス、黄河、いわゆる世界四大文明のすべてがその事実を示している。
ことばが通じないと、人は常に警戒心を解けない。
些細な誤解でも、すぐに殺し合いに発展してしまう。
マナーやエチケットも、単なる作法ではない。
見知らぬ他者同士が隣り合わせで生きるための、生存の知恵である。
挨拶の仕方。
食事の作法。
贈答のルール。
これらを共通規格(プロトコル)として定めることで、相手の行動が予測できるようになったのだ。
文化人類学者グレゴリー・ベイトソンは、こう述べている。
「ヒトがコミュニケーションを行う理由は、自分が相手に対して怒っていないことを示すためである。」
ことばもマナーも、都市の中で見知らぬ他者と共存するための発明だった。
流血を避けるための武装解除の技術である。
しなくていい苦労は、しなくていい。
私自身はそう思う。
しかし興味深いことがある。
自分と全く考え方の違う人と話した経験が多い人ほど、英語の上達が早い。
似た考えの人とだけ話してきた人は、英語の上達は遅い。
色んな人と話そう。
英語に敬語はないと思っている日本人は多い。
だが、それは誤解だ。
英語にも敬語はたくさんある。
年功序列の日本。
実力主義のアメリカ。
どちらの社会にも、人と人の間には権力の差がある。
力の差がある者同士が衝突せずに共存する。
そのための技術が言語である。
目上の人とも、目下の人とも、うまく話すことができる。
英語がうまくなりたい人は、日常からその感覚を持つことだ。

升砲館 ショーンツジイ
プロイングリッシュスピーカー育成ディレクター
文化人類学者


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