写真は、画家の塩澤文男先生と。その画風は、豪壮にして繊細、大胆でありながら緻密。ひとたび作品の前に立てば、見る者の感覚が静かに塗り替えられていく。
何より、塩澤先生ご本人がカッコいい。
その姿勢と佇まい、発される言葉のひとつひとつに、
「芸術や創造性は、教科書から学べるようなものではない」という真実が宿っている。
創造性の大切さは、芸術家だけの話ではない。
あなたが英語を話すときも、まさに同じことが起こっている。
原則的に、私たちが日々使っている英語表現のすべては、過去に誰かが“創った”ものだ。
たとえば、数百年の時を超えて今なお引用されるシェイクスピア。
彼の作品に登場する数々の慣用句や比喩は、当時としては「新しい言葉」だった。
では想像してみてほしい。
彼が “I have a butterfly in my stomach.”(腹に蝶々がいる=緊張している)という表現を初めて口にしたときのことを。
それは、頭で捻り出したものではない。
アドリブ。即興として、口を突いて出てきたに違いない。
英国の作家E・M・フォースターは、こう語っている。
“How can I know what I think till I see what I say?”
自分が何を考えているのか、自分が言ったあとで初めてわかる。
まさにそのとおりだ。
人間は、声に出すことで、初めて「自分が何を考えているのか?」を知る。
音楽もまた同じだ。
モーツァルトの美しい旋律も、最初はアドリブだった。
ブルースも、ジャズも、ステージの上での即興から生まれる。
そこに“原稿”などない。
あなたが日本語を話すとき、台本を準備しているわけではないだろう?
それと同じことが、英語でも起こり得るのだ。
「初心者だから、まだ早い」?
いや、違う。
英語初心者でも、「即興」で話せるよ。
初心者は初心者なりに、自分の現在地のまま“ペラペラ”になれる。
上級者は、持ってる英語の知識をフル活用して話せるようになる。
視点を変えよう。
必要なのは、「間違えないように話すこと」ではない。
「今ここで、生きている言葉を発すること」だ。
私は断言しても良いが、その力は、誰の中にも眠っている。
しかし、英語教育を一番ダメにしているのは、熱心な教師かもしれない。
経済学者・成田悠輔氏の言葉を引用したい。
「仕事をサボる人より有害なのは、ムダな仕事をがんばって、周りを巻き込む人」
これはそのまま、教育の現場にも当てはまる。
生徒の言葉の感性を台無しにするのは、
むしろ“熱心に教えようとする教師”であることが少なくない。
教えすぎる教師。
過干渉の親。
手と口を出しすぎる環境。
それらは、子どもたちの“自分で話し始める力”を奪っていく。
教えられずに、身につけたものがあるはずだ
あなたもきっと、そうだったはずだ。
あなたの日本語は、プロの国語教師から教わったものではない。
けれど、言葉は身についた。
なぜか?
日々、声に出し、意味をつかみ、自分の世界を創造してきたからだ。
言葉とは、本来、そうやって身につけるものなのだ。
ことばの能力は、教科書からは身につかない。
「生き方」や「在り方」がまず大切だ。
「自分の声」と「自分の思考」と「自分の感情」がつながっていなければ、
その言葉は、どこにも届かない。
その上での知識。
塩澤先生の絵がそうであるように、
シェイクスピアやモーツァルトがそうであるように、
あなたの英語も、あなた自身の創造から始まる。
創造力を育もう。
初心者でも、英語がアドリブで話せるようになる。
上級者は、創造力に目をやることで、英語人生をやり直すことができるよ。

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